最高級の炭「備長炭」

備長炭の炭窯備長炭とは、国内でも限られた地域にしか生息しないウバメガシを炭材にした白炭のことで、炭の中でも高品質なものです。
大月町はそのウバメガシの宝庫で、町の木にも指定されています。
ウバメガシ備長炭は極上品として珍重され、元禄の昔から日本人の豊かな生活文化を育んできました。
ウバメガシは、ほかの樹木が育つことのできない厳しい環境下で育つのが特徴。この大月町独特とも言える気候と風土の中、海岸の岩の中に直接根を張り、長時間かけてミネラルを吸収しながら成長していきます。そのため大変硬く、綿密な木質は、ほかの地方の備長炭と比較しても特に優れた機能を持っています。

「ウバメガシ備長炭」の産地は主に紀州・土佐・日向ですが、地域によって窯の形や炭焼きの方法にも違いがあります。
私たちの作る「土佐備長炭」は、窯くべ・乾燥・炭化・精煉(ねらし)・窯出しという工程を約15日間かけ行い、その後熱いままスバイ(灰と土を混ぜ、水分を含ませた消し粉)をかぶせて消火します。炭化温度は800~1200度にもなり、硬度は15度以上、非常に堅く、叩くと金属音がし、断面は貝殻のような光沢を放っています。

上記写真は、備長炭の窯(一例)です。備長炭は窯出しの際、火を消さず熱いまま掻きだして砂をかぶせて冷まします。(そのため「白炭」とも呼ばれます)

土佐備長炭の特長

備長炭備長炭高品質の備長炭は鋼のように固く、たたき合わせるとキンキンと金属のような音がします。品質の良い備長炭は、表面に赤い粉のようなものがふりかかっています。(写真右)
火付きには時間がかかりますが火力が強く、大変火もちのよいのが特徴です。
また遠赤外線効果と近赤外線効果があり、肉や魚などの旨みの成分であるグルタミン酸を閉じ込めながら焼き上げることができるので、料理人さんからは最高の料理燃料と重宝されています。

備長炭の特長を活かしたこんな使い方

炊飯にも備長炭備長炭には多数の小さな孔があり、それが臭いやカルキの成分を吸着するため炊飯の際や飲料水のポットなどにも入れてお使いいただけます。
炭は水道水のカルキ臭をやわらげ、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を滲出することで、おいしいお水を作ることができます(1.8リットルの水道水に対して、炭150gが目安)
おいしくするには最低でも約半日おき、可能なら一昼夜おいていただくのがおすすめ。
炊飯の場合はそのままお米と一緒に炊いてください。(ご使用になる前に水洗い、煮沸してください)